エルメスのバーキンが「投資資産」になった理由、金より値上がりしたバッグの話
バッグを投資資産として考えたことがありますか。エルメスのバーキンは過去35年間で、金や株式市場の平均リターンを上回るパフォーマンスを示してきました。なぜ一つのハンドバッグが金融資産と比較されるほどの価値を持つようになったのか。その理由を知ると、バーキンという存在の見方が根本から変わります。
バーキンが金を上回ったというデータ
2016年に発表されたアメリカの研究によると、バーキンは1980年から2015年の35年間で年平均14.2%の価値上昇を示しており、同期間の金の年平均1.9%、S&P500の年平均11.66%を上回っています。
アメリカのバグナル・コンサルティング・グループが2016年に発表したレポートは、バーキンを正式な投資資産として分析した最初の研究として注目を集めました。このレポートは35年間のバーキンの二次市場での取引価格を追跡し、その結果として年平均14.2%という驚異的なリターンを算出しました。
この数字は金融資産との直接比較を可能にし、バーキンが単なるファッションアイテムではなく資産として機能し得ることを示しました。ただしこれはすべてのバーキンに当てはまるわけではなく、状態、素材、カラー、希少性によって価値は大きく異なります。
参考:Financial Times「The Birkin as a Better Investment Than Gold」

なぜバーキンだけが投資資産になれたのか
バーキンが他のラグジュアリーバッグと異なり投資資産として機能する理由は、希少性、耐久性、ブランドの価格管理という3つの条件が揃っているからです。
第一の条件は希少性です。バーキンはエルメスの意図的な販売制限により、需要に対して供給が常に不足しています。希少性は価値の根本的な条件です。
第二の条件は耐久性です。バーキンに使われる最高品質の革と金具は、適切に保管すれば数十年にわたって品質を保ちます。価値が劣化しにくいという物理的な特性が、資産としての信頼性を支えています。
第三の条件はエルメスの価格管理です。エルメスは定期的に定価を引き上げ、セールを一切行いません。定価が上がり続けることは、既存のバーキンの価値も押し上げます。この3つの条件が揃うラグジュアリーバッグは、バーキン以外にほとんど存在しません。
参考:Business of Fashion「Why the Birkin Is the Ultimate Investment Bag」
最も価値が高いバーキンの条件
投資資産としてのバーキンの価値は、素材、カラー、サイズ、状態、付属品の有無によって大きく異なります。
素材の中で最も価値が高いのはクロコダイルやリザードなどのエキゾチックレザーです。特にヒマラヤバーキンと呼ばれる、ナイルクロコダイルを白に近いグラデーションに染めたモデルは、オークションで最高額を記録し続けています。
カラーは需要と希少性で価値が変わります。定番のブラック、ゴールド、エタン(グレー)は安定した需要を持ちます。限定カラーや廃版カラーは希少性から高値がつくことがあります。
状態は査定において最も重要な要素です。未使用品は定価を大きく上回る価格で取引されることがあります。付属品の有無、特に鍵、南京錠、ダストバッグ、箱が揃っているかどうかも価値に影響します。
参考:Harper’s Bazaar「How to Buy a Birkin as an Investment」

今売るべきか、持ち続けるべきか
バーキンを資産として考えるとき、今売るべきか持ち続けるべきかの判断は、市場の状況と個人の状況の両方を考慮する必要があります。
バーキンの二次市場の価格は、インバウンド需要、円安の影響、世界の富裕層の消費動向によって変動します。現在の日本市場は円安とインバウンド需要の追い風を受けており、バーキンの買取価格が歴史的な高水準にあります。
持ち続けることで価値がさらに上がる可能性もありますが、市場環境は変化します。今の高水準で売ることも、将来のさらなる価値上昇を待つことも、どちらも合理的な選択です。まず現在の正確な価値を知ることが、判断の出発点になります。
参考:Reuters「Luxury Resale Market Reaches Record Highs」

まとめ
エルメスのバーキンが投資資産として機能する理由は、希少性、耐久性、エルメスの価格管理という3つの条件が揃っているからです。35年間で金を上回るリターンを示したデータ、価値を最大化する素材とカラーの条件、そして今売るべきか持ち続けるべきかの判断基準。手元にあるバーキンの価値を正確に知ることが、最善の判断への第一歩です。

