インバウンド需要が高い今、売り時を逃すと何が変わるのか

2025年から2026年にかけて、日本のブランドバッグ買取市場はインバウンド需要の追い風を受けて活況を呈しています。この状況がいつまでも続くとは限りません。売り時を逃すと何が変わるのかを知っておくことが、タイミングの判断に役立ちます。
インバウンド需要が買取市場に与えている影響
2025年から2026年にかけて、訪日外国人によるブランド中古品の購入需要が買取市場を押し上げており、買取価格が歴史的な高水準にあります。
訪日外国人数は2025年に4,268万人と過去最多を更新し、インバウンド消費額も9兆4,549億円と過去最高を記録しました。この訪日外国人の多くが日本の中古ブランド品市場に注目しており、銀座や表参道の中古ブランド品店では売上の大部分が外国人観光客によるものになっているケースもあります。
この需要の高まりが中古ブランド品の小売価格を押し上げ、それに連動して買取業者の買取価格も上昇しています。同じバッグでも、インバウンド需要が低かった時期と比較して、数万円から数十万円高い買取価格が提示されるケースがあります。
参考:Financial Times「Inbound Tourism Drives Japan’s Luxury Resale Market」
円安が加速させる買取価格の上昇
インバウンド需要に加えて、円安が外国人観光客にとっての日本の中古ブランド品の価格優位性を高め、買取市場の活況をさらに後押ししています。
円安は外国人観光客にとって日本での買い物を割安にします。ヨーロッパで定価で購入するより、日本の中古市場で購入する方が大幅に安くなるという状況が、訪日外国人のブランド中古品への需要を高めています。
この状況は買取業者にとっても好条件です。高い価格で外国人に販売できるため、仕入れにあたる買取価格を高めに設定することが可能になります。円安が続く限り、この構造は維持されますが、為替レートは変動するものであり、円高に転じた場合には市場環境が変化する可能性があります。
参考:Business of Fashion「How Yen Weakness Boosts Japan’s Luxury Resale Market」
売り時を逃した場合に起きること
インバウンド需要や円安という市場環境が変化した場合、現在の高水準の買取価格が下落する可能性があり、売り時を逃すことで手取り額が減少するリスクがあります。
市場環境が変化する要因としては、円高への転換、訪日外国人数の減少、世界的な景気後退によるラグジュアリー消費の冷え込みなどが考えられます。これらの要因が重なった場合、現在の高水準の買取価格は維持されない可能性があります。
ただし市場環境の変化のタイミングを正確に予測することは誰にも不可能です。「もっと上がるかもしれない」という期待で売り時を先送りにし続けることも、リスクを含んでいます。現在の市場環境が売却に有利であるという事実を踏まえた上で、自分の状況と照らし合わせて判断することが重要です。
参考:Vogue「Timing the Luxury Resale Market in Japan」
今売るべきか持ち続けるべきかの判断基準
売るべきかどうかの判断は市場環境だけでなく、バッグの種類、個人の資金的な状況、そしてそのバッグへの愛着という複合的な要素から行うことが最善です。
市場環境が有利であることは、売却の一つの条件に過ぎません。バーキンのような資産価値が高く今後も上昇が見込まれるバッグを、インバウンド需要が高いからといって今すぐ売る必要があるかどうかは、個人の状況によって異なります。
判断の基準として考えるべきことは、そのバッグをこれからも使う予定があるかどうか、現在の買取価格が自分にとって満足のいく金額かどうか、そして売った後にそのバッグのことを後悔しないかどうかです。市場環境は参考情報の一つとして活用しながら、最終的には自分の状況と気持ちに正直な判断をすることが最善です。
参考:Harper’s Bazaar「Should You Sell Your Luxury Bag Now or Wait?」
まとめ
インバウンド需要の高まりと円安が日本のブランドバッグ買取市場を歴史的な高水準に押し上げています。この市場環境が変化した場合、現在の高水準の買取価格が維持されない可能性があります。ただし市場環境の変化のタイミングは予測不可能であり、今売るべきかどうかの判断は市場環境だけでなく、バッグの種類、個人の資金的な状況、そのバッグへの愛着という複合的な要素から行うことが最善です。

