査定額を下げる「よかれと思った行動」5つの現実

ブランドバッグを査定に出す前に、少しでも良い状態にしようと手を加えてしまう方がいます。しかしその「よかれと思った行動」が、逆に査定額を下げてしまうことがあります。査定士が実際に目にする5つのケースを知っておくことが、正当な査定額を守るための知識になります。
よかれと思った行動その1:市販のクリーナーで拭いた
市販の革用クリーナーや除菌シートでバッグを拭くことは、素材を傷め査定額を下げる原因になることがあります。
「汚れを落としてから査定に出そう」という気持ちは自然です。しかし市販の革用クリーナーはブランドバッグの素材に対して強すぎることがあります。シャネルのラムスキン、エルメスのトゴレザー、ルイ・ヴィトンのヌメ革はそれぞれ異なる性質を持っており、一般的な革用クリーナーが適合しない場合があります。
特に危険なのは除菌シートです。アルコール成分が革の油分を奪い、表面のコーティングを傷める可能性があります。査定士は素材の状態を細かく確認しており、不適切なクリーニングによる素材の変質は査定額に影響します。汚れが気になっても、そのままの状態で査定に持ち込むことが最善です。
参考:Vogue「What Not to Do Before Selling Your Luxury Bag」
よかれと思った行動その2:金具を磨いた
錆や曇りが気になる金具を磨こうとして傷をつけることは、査定額を下げる典型的なケースです。
エルメスのバーキンの南京錠、シャネルのチェーンの金具、ルイ・ヴィトンのジッパープル。これらの金具が曇っていると査定に影響すると思い、磨いてしまう方がいます。しかし金具を誤った方法で磨くと、細かい傷が無数についてしまいます。
金具のコーティングは非常に繊細であり、市販の金属磨きや硬い布での磨きは表面を傷める可能性があります。金具の曇りは査定士が専門的な方法で対処できることが多く、素人が手を加えることで逆に状態が悪化することがあります。金具の状態が気になる場合は、そのまま査定に出して査定士の判断を仰ぐことが正解です。
参考:Harper’s Bazaar「Preparing Your Luxury Bag for Resale: Common Mistakes」
よかれと思った行動その3:型崩れを直そうとした
バッグの型崩れを自分で直そうとして、詰め物をしたり形を整えようとしたりすることは、逆に型崩れを悪化させる可能性があります。
長期間使用したバッグが型崩れしている場合、形を整えてから査定に出そうとする方がいます。しかし素材の特性を理解せずに型を整えようとすることは危険です。
特に問題になるのは、硬いものを詰めて形を整えようとするケースです。バッグの素材に過度な圧力をかけることで、縫い目にストレスがかかったり、素材が伸びたりすることがあります。型崩れしたバッグはそのままの状態で査定に出し、査定士の専門的な判断を受けることが最善です。型崩れの程度によっては、専門のクリーニング業者による修復を査定後に検討する方法もあります。
参考:Financial Times「The Dos and Don’ts of Luxury Bag Care Before Resale」
よかれと思った行動その4:古いシールや値札を剥がした
バッグに貼られた古いシールや値札を剥がすことで、素材を傷めたり、正規品の証明に必要なシールを誤って剥がしてしまう危険があります。
バッグの内側や底面に貼られたシールが気になって剥がしてしまう方がいます。しかしこれは二つの意味で危険です。
一つ目は、剥がす際に素材を傷めるリスクです。シールの粘着剤が素材に浸透している場合、無理に剥がすと素材が裂けたり、粘着剤の跡が残ったりすることがあります。二つ目は、シールが正規品の証明に関わる場合があることです。特にシャネルのホログラムシールは絶対に剥がしてはいけないものです。バッグに貼られたシールは、査定士に判断を委ねてから対処することが原則です。
参考:Business of Fashion「Authentication and the Importance of Original Labels」
よかれと思った行動その5:日光に当てて乾燥させた
カビや湿気が気になってバッグを日光に当てて乾燥させることは、素材の変色や劣化を引き起こす可能性があります。
長期間保管していたバッグに湿気やカビが気になる場合、日光に当てて乾燥させようとする方がいます。しかし直射日光は革素材にとって大きなダメージになります。
ルイ・ヴィトンのヌメ革は特に日光に敏感で、直射日光に当てることで急激な変色が起きることがあります。シャネルのラムスキンやエルメスのクロコダイルレザーも同様に、直射日光による乾燥は素材の収縮やひび割れを引き起こす可能性があります。湿気が気になる場合は風通しの良い日陰で自然乾燥させることが正しい対処法です。
参考:Vogue「How to Properly Store Your Luxury Handbag」
まとめ
査定額を下げる「よかれと思った行動」は、市販クリーナーでの拭き取り、金具磨き、型崩れ修正、シール剥がし、日光乾燥の5つです。いずれも良かれと思って行った行動が逆効果になるケースです。バッグはできるだけそのままの状態で査定に持ち込み、専門家の判断を仰ぐことが正当な査定額を守る最善の方法です。

